日記 073 カンマ5ミニッツ

秒速5センチメートルって知ってる?アニメ映画なんだけど、うげっ、いま調べてみたら新海誠だって、そりゃあんな胸糞青春するよな、とかおもいながら、とにかく、その映画のエンディングが山崎まさよしのアレじゃん?いつでもさがしているよ~ってなやつ。それで時は16時にさかのぼります。本日。なんとなく外に出たくなって、というのも、最近のおれは本当にジッとしていることができなくて、家からやたらと外に出たがるのだ。ひどい恰好だったから、(FFのタイトルロゴTシャツ)ここはひとつ、実家で発見した、三年前くらいによく来てたかっこいい柄シャツでも着て、それで外をプラプラしてた。そんときに山崎まさよしのアレを替え歌にして、口ずさんていた。スーパーにいった。何をするでもなく、でも山崎まさよしが離れない。スーパーのBGMも山崎まさよしのサックスバージョンだったかもしれない。外にでる。かっこいい柄シャツは、着てるととても自分がかっこいいように感じられていいなあ、おれも、そうやって身なりを気を付けることが大事なのかもなあ、でも、こいつ売っちゃろっかな、と急に謎の脳のバグが起こり、古着屋に向かい、結構な速度で歩いていたら、なんか既視感のある顔をしたおじいちゃんがいたんだ、こっちをみてた。柄シャツはよく見られる、派手だから。でもそういう見るじゃなくて、ガッツリ知合いです、みたいな見るをされたのだ。なんだ?と思って、で、まあいっかって思ってた。外に出たのになんも買ってないし、ここはひとつ、ジュースでも買うかと、自販機でサイダーかカルピスソーダかを選ぶ。じいちゃんの形見の名刺入れをコインケースにした財布から、50円玉二枚と10円玉5枚を取り出す。貧乏で、すこしかなしくなる。どっちにしよう。すると、迷うでもなくおれはカルピスソーダを選んだ。その瞬間、さっきのおじいちゃんの既視感に気づく。そうだ、あの人は元天皇陛下に似ている!もしかしたら本人だったかもしれないくらい!振り返り、元来た道を見る。そこにはもう、おじいちゃんの姿はとっくになくて、おれの山崎まさよしが大音量で歌い始める。そうか、そういう日もあるんだなあ、と、すこし幸せになって、家に帰った。

コメント